2011年 08月 25日
空想と現実 |
幼い頃、私は「無敵な人」に憧れていた。
その条件とは、如何なる攻撃も一切、受け付けず、年を取らなくて、いつも平然として
いること――それが大前提だった。今にして思えば、馬鹿げ話だが、当時の私は真剣に
そんな人が存在すると思っていたのだ。
幼稚園から小学生になった初日。早速、私はクラス中を見渡した。まず、「無敵」である
ということは、何があっても泣かないだろうと思い、緊張して泣いている者は、無敵な人
リストから外すことにした。次に見た目がふつうな者も外した。なんとなく一般的な人間に
違いないと感じたからだ。
すると候補として残ったのは、三人だった。一人目は無口でおとなしいタイプの男の子。
二人目は短髪で活発的な女の子。三人目は私たちのクラスを受け持つ男の担任教師だ。
「この三人のうち、一人は絶対に無敵に違いない」――私は、そう思うと心が躍った。
しかも、好都合なことに近々、健康診断で注射をするらしいのだ。そうなると、「無敵」で
ない者は泣くだろうし、「無敵」なら平然としているだろう。
その夜、母親から「今日、学校でなにかいいことでもあったの?」と聞かれた。
「どうして?」と私が尋ねてみると、「学校から帰ってきて、ずっと嬉しそうだから」と
云われ、ドギマギした。もしも、母親に「無敵な人探し」のことを話してしまったら、
「無敵な人」が私のことを警戒して、ふつうの人間のフリをするんじゃないかと思い、私は
適当にごまかすことにした。
つづく
・・・フィクションのようで、実はノンフィクションなところが怖い(笑)。
そう思うと、私は昔から不思議ちゃんだったのだなぁ~。ちなみに「無敵な人探し」は、
大人になってからもやっていて、ライターの養成学校時代に最有力候補にあったんです!
メガネをして、端正な顔立ちに髭。しかも、自信に満ちて、実年齢よりも老けていた先輩←
ごめんなさい。
初めて、見た時、「この人は、無敵だ!」と思っていたのですが・・・。
事件は、突然起きたのです!
文化祭の前日。例の先輩は、テキパキと動き、次から次へと準備を終わらせていて、
もはや人間ではないように思いました。さらに近くにハンマーが落ちていたので、
「あの人は、殴っても全く効かないんだろうな~無敵だし」などと勝手な想像をして、
テンションは上昇し続けましたまま、私は帰宅しました。
次の日。
学校の入り口で、親友が眠そうに「おはよう!」と挨拶してきたので、私以外は徹夜しながら
楽しんでいたのだろうと思いながら、準備をしている教室へと向かいました。
すると、案の定、床で雑魚寝をする友達たちの姿が。
――あ!
一瞬、私は愕然としました。なんと、みんなに混じって、あの「無敵の人」と思われた先輩が
寝ているではありませんか。(「無敵な人」は、寝ないんだよ!)とツッコミを入れたくなる
のを我慢して、
「せ、先輩。なんで、寝たんですか?」と私が聞くと、先輩は不思議そうな顔をして、また
すぐに眠ってしまいました。
やはり、この世に「無敵な人」は、いないのかな~とくじけそうになった時のエピソード
でした。
その条件とは、如何なる攻撃も一切、受け付けず、年を取らなくて、いつも平然として
いること――それが大前提だった。今にして思えば、馬鹿げ話だが、当時の私は真剣に
そんな人が存在すると思っていたのだ。
幼稚園から小学生になった初日。早速、私はクラス中を見渡した。まず、「無敵」である
ということは、何があっても泣かないだろうと思い、緊張して泣いている者は、無敵な人
リストから外すことにした。次に見た目がふつうな者も外した。なんとなく一般的な人間に
違いないと感じたからだ。
すると候補として残ったのは、三人だった。一人目は無口でおとなしいタイプの男の子。
二人目は短髪で活発的な女の子。三人目は私たちのクラスを受け持つ男の担任教師だ。
「この三人のうち、一人は絶対に無敵に違いない」――私は、そう思うと心が躍った。
しかも、好都合なことに近々、健康診断で注射をするらしいのだ。そうなると、「無敵」で
ない者は泣くだろうし、「無敵」なら平然としているだろう。
その夜、母親から「今日、学校でなにかいいことでもあったの?」と聞かれた。
「どうして?」と私が尋ねてみると、「学校から帰ってきて、ずっと嬉しそうだから」と
云われ、ドギマギした。もしも、母親に「無敵な人探し」のことを話してしまったら、
「無敵な人」が私のことを警戒して、ふつうの人間のフリをするんじゃないかと思い、私は
適当にごまかすことにした。
つづく
・・・フィクションのようで、実はノンフィクションなところが怖い(笑)。
そう思うと、私は昔から不思議ちゃんだったのだなぁ~。ちなみに「無敵な人探し」は、
大人になってからもやっていて、ライターの養成学校時代に最有力候補にあったんです!
メガネをして、端正な顔立ちに髭。しかも、自信に満ちて、実年齢よりも老けていた先輩←
ごめんなさい。
初めて、見た時、「この人は、無敵だ!」と思っていたのですが・・・。
事件は、突然起きたのです!
文化祭の前日。例の先輩は、テキパキと動き、次から次へと準備を終わらせていて、
もはや人間ではないように思いました。さらに近くにハンマーが落ちていたので、
「あの人は、殴っても全く効かないんだろうな~無敵だし」などと勝手な想像をして、
テンションは上昇し続けましたまま、私は帰宅しました。
次の日。
学校の入り口で、親友が眠そうに「おはよう!」と挨拶してきたので、私以外は徹夜しながら
楽しんでいたのだろうと思いながら、準備をしている教室へと向かいました。
すると、案の定、床で雑魚寝をする友達たちの姿が。
――あ!
一瞬、私は愕然としました。なんと、みんなに混じって、あの「無敵の人」と思われた先輩が
寝ているではありませんか。(「無敵な人」は、寝ないんだよ!)とツッコミを入れたくなる
のを我慢して、
「せ、先輩。なんで、寝たんですか?」と私が聞くと、先輩は不思議そうな顔をして、また
すぐに眠ってしまいました。
やはり、この世に「無敵な人」は、いないのかな~とくじけそうになった時のエピソード
でした。
by yunerian
| 2011-08-25 23:25
| 日常